心虚血病変の実験的研究
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概要
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高血圧,高脂血症及びその両者の併存が,急性並びに慢性心虚血病変の発現に及ぼす影響を検討する目的で,家兎30羽をA: 対照群,B: 大動脈縮窄群,C: コレステロール飼育群,D: 大動脈縮窄及びコレステロール飼育群の4群に分け,平均16週間飼育後,冠状動脈結紮(以後,冠結紮)による急性心虚血実験に供した。その結果,高血圧及び高脂血症の併存するD群では,高度の冠状動脈硬化(以後,冠硬化)を伴う心肥大を基盤に,慢性心虚血病変が最も顕著に認められ,加えて虚血指数Ischemic scoreを用いた電顕所見の半定量的解析から,心筋の腫脹や心筋収縮能の異常等より成る初期虚血病変は,D群で最も広汎かつ全層性の進展を示した。これは,高血圧性心肥大と高度の冠硬化をその発症の背景として有する,大多数のヒト心筋梗塞例にみられる致命的梗塞病変が,慢性冠不全を基盤として容易に発現するという仮説を,実験的に証明したものと考えられた。
- 北里大学の論文
- 1982-12-31
著者
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