経尿道的膀胱腫瘍切除術の遠隔成績
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概要
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昭和46年8月より昭和52年7月末までの間に経尿道的切除術(TUR)で治療した膀胱腫瘍110症例(移行上皮癌107,扁平上皮癌3例)の5〜11年にわたる遠隔成績を検討した。そのうちの49例(45%)に再発を認め,2〜9回(平均3.4回)の再TURを施行した。TURによる初回治療後の生存率は,1年93%, 3年81%, 5年75%であった。stage T_2 (B_1)までの浅層浸潤群の5年生存率は85%であり,このうち低悪性度(grade I, II)は92%であった。2回以上のTURを施行した39例中,34例は悪性度の異なる腫瘍の再発を認め,うち17例には悪性度低下の傾向を認めた。これらの結果より,膀胱腫瘍に対するTURは極めて有用な治療手段であり,T_2 (B_1)までの浸潤度の腫瘍に対しては,組織学的悪性度や再発反復の如何にかかわらず,TURを最適の治療手段と選択すべきであると思われる。
- 北里大学の論文
- 1982-12-31