Nd-YAG Laserならびに高周波照射の胃粘膜に及ぼす影響;特に経時的変化に関する研究
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概要
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消化管出血に対して経内視鏡的に止血が可能であれば,緊急手術が困難な症例や一旦止血できれば予後がよく,また再発の少い病変などは外科的浸襲が不要となる。この止血法としてレーザー光線を成犬胃に照射し経時的観察を行ない,特に臨床的にその様な機会が予想される反復照射をした場合の安全性について検討した。また高周波照射とも比較した。更にどの様な条件のレーザー照射法が穿孔をおこさず安全かを検討した。照射ファイバーと胃粘膜の距離1cmでYAGレーザー50W×1秒×5,高周波凝固ダイヤル「4」×1秒×5,ARGONレーザー5W×1秒×5の条件で1週おきに反復した場合は,YAGで3日目,高周波では7日目に完全な再生粘膜が出現した。故に,それ以降の反復照射は穿孔を起こすことなく安全に行なうことができる。YAGの穿孔照射急性実験では前後壁で80W以下,1秒計300J/cm^2以内また60W以下,2秒,計500J/cm^2以内では穿孔がなく安全な照射である。
- 1982-10-31