人工血管による遊離皮弁移植に関する基礎的研究
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概要
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皮膚脂肪組織の欠損部に遊離皮弁を移植し,生着させることは,臨床応用にとって有用な手段となる。我々はこの実現に必要な条件を明らかにするため,まず,ヘパリン化親水性材料の人工血管を用いて遊離皮弁の移植に関する実験を行なうと共に,移植時の抗血栓性薬剤投与の影響についても検討した。犬を用いての下腹部皮弁の再生着実験において軸動脈にのみ人工血管を挿入した場合は,12例のうち4例が生着し,軸静脈にのみ人工血管を挿入した場合,11例のうち4例が生着した。しかし,軸動静脈両側に人工血管を用いた場合は,15例のうち1例も生者しなかった。このことは,人工血管を用いて軸動静脈両側を延長し,皮弁を生着させることの困難さを示唆したが,実験期間中抗血栓性薬剤を投与することにより1例ではあるが,皮弁の再生着に成功した。
- 北里大学の論文
- 1982-04-30
著者
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