病態心におけるPeak Negative dP/dtとその支配因子について
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概要
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左心カテーテルおよび心エコー図を用い,心疾患75例(MS, IHD, CCM, HCM),コントロール群7例についてpeak negative dP/dtを測定し,これに干渉する可能性をもつ種々の循環力学的因子を調べ,peak negative dP/dtが示す弛緩特性の意味を明らかにしようとした。臨床的に見たさい,この値にたいする左室収縮期循環動態の影響は明らかでなかった。一方,この値が異常化したさいには,種々の左室拡張期循環動態の変化を伴った。peak negative dP/dtは,これら弛緩・拡張期の諸因子のうち前負荷およびstiffness indexと明らかな逆相関を示し,この2者が有力な支配因子と考えられた。このさい,前負荷とstiffness indexは正相関を示した。左室収縮機能の異常が出現しないうちにもpeak negative dP/dtが減少する事が知られており,さらに本論文で種々の拡張期循環動態パラメーターの変化と共に敏感に変化することが示されたゆえ,この指標は,弛緩機能を知る上で,重要なものであると考える。
- 北里大学の論文
- 1981-12-31