Laurell法による"β-Pregnancy-Associated Protein"の測定法の開発
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概要
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私たちはすでに,β領域に泳動される未知の妊娠関連蛋白であるβ-Pregnancy-associated protein (以下β-PAPと略す)の存在について報告した。今回Laurellのロケット免疫電気泳動法を用いて,この蛋白の血中濃度の測定を行なう際に必要な諸条件について検討を行なった。満期胎盤組織より得た精製物質を家兎に注射し,非妊婦血清で吸収後特異抗血清を得た。この特異抗血清を用いると,抗血清濃度0.7%,2V/cmの定電圧で18時間泳動を行なう条件下で最高の感度が得られ,これらが至適の測定条件であることがわかった。今回用いた標準液中の抗原濃度を任意に100U/mlと仮定すると,この測定法の感度は1.5U/mlで,1.5U/mlから25U/mlの範囲で検量線は直線性を示した。同時再現性は5%前後で,日差再現性は13.5%以下であった。β-PAPは正常の月経周期をもつ非妊婦血清中では全例2.0U/ml以下であったのに対して妊婦血清中には数倍の高濃度に存在することが明らかになった。この蛋白の体液中濃度の測定を行なうことによって,β-PAPの臨床的意義が次第に解明されることが期待される。
- 北里大学の論文
- 1981-12-31
著者
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