脳血管障害急性期における血小板放出反応の病態に関する研究 : 血漿β-thromboglobulin,血小板第4因子濃度を中心に
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概要
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脳血管障害急性期における病態を凝血学的面より検討する目的にて,血小板凝集に際して血小板より放出されるβ-thromboglobulin (β-TG)および血小板第4因子(PF-4)をradioimmunoassayにて測定した。対象は健常者31例,急性期脳血管障害患者31例および明らかな血栓を有しない腎機能障害患者9例である。健常者肘静脈血のβ-TG,PF-4濃度はそれぞれ20.7±1.4ng/ml (平均値±標準誤差),3.3±0.4ng/mlであった。採血部位,採血方法,遠心条件,遠心後の乏血小板血漿の採取部位を検討し,それらがβ-TGおよびPF-4の測定値に大きな変動を与えるという結果を得た。急性期脳血管障害患者では,β-TGは健常対照群に比べて有意に高値であったが,PF-4では有意な差は認められなかった。病型別では,脳出血,脳梗塞およびクモ膜下出血のいずれも,健常対照群に比べてβ-TGは有意に高値を示した。なお,脳出血例では,β-TG,PF-4共に,CT上の病巣の大きい例が,小さい例に比べて高値を示した。
- 北里大学の論文
- 1981-12-31