胆嚢粘膜の隆起性病変に関する病理学的研究 : 特に微小血管造影法による検討
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概要
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剖検および手術によって得られた胆嚢に微小血管造影を行ない,正常胆嚢35例の壁在血管構築をしらべ,さらに胆嚢粘膜の隆起性病変16例の微小血管構築改変像と病理組織像との関連を比較し,病変の成り立ちと血管構築改変の意義について検討した。正常胆嚢の壁在血管は6次の分枝までに区別した。各分枝は夫々特有のパターンをもち,胆嚢の機能に密に関連していることを確認した。疾患別に胆嚢の微小血管構築改変をみると,コレステロールポリープでは特有のパターンからA, B, Cの3型に分類できた。組織学的にB, C型は過形成性の性格をもち,A型のポリープと発生過程がやや異なる可能性が示唆された。コレステロールポリープでは基本的な正常血管構築が保たれるが,腺腫および腺腫内癌では癌巣に一致して特有な限局性の微小血管構築の改変がみられた。進行癌では同一腫瘍内でも組織型は多様で,それに対応して微小血管構築も一様ではなかった。
- 北里大学の論文
- 1981-12-31
著者
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