温阻血障害腎の生存可能性判定の検討

概要

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イヌ腎動脈結紮による温阻血障害腎46個を落差フラッシュした。そのうちの25腎は直ちに,残り21腎はさらに60分間低温低圧拍動灌流を行ない,灌流量,逸脱LDH,酸素消費量を測定した後に自家腎移植を行ない,温阻血障害時間の許容限界および生存可能性判定について検討した。120分温阻血障害腎は低温低圧拍動灌流を行なうと生存率は向上するが,90分および150分温阻血障害腎の生存率は灌流方法にかかわらず,ほゞ同じであった。また,90分温阻血障害腎の灌流量は120分,150分温阻血障害腎の約2倍で,灌流液中への逸脱LDH濃度および酸素消費量は90分温阻血障害腎と150分温阻血障害腎とで有意差であった。以上から温阻血障害時間の許容限界は90分ないし120分の間と考えられた。生存可能性判定の指標として低温低圧拍動灌流後60分でのLDH濃度と灌流後15分での灌流量との比をとり,この比を100で上下に分けると,生存可能性と高い相関x^2=22.2 (p<0.005)があり,100以下では生存可能性が高いことが示された。
1981-04-30