ラットカラゲニン胸膜炎における多核白血球の遊走に関する内因性アラキドン酸代謝物の役割
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概要
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Thromboxane (TX) B_2, 5-HETE, 12-HETE, leukotriene B_4に強い白血球遊走作用のあることが報告されているので,ラットカラゲニン胸膜炎を用いてin vivoにおけるそれらの関与を調べた。aspirin (As) (100mg/kg, i. p.), dexamethasone (Dx) (0.3mg/kg, i. p.)により3時間及び5時間の胸水中のTXB_2と6-keto-prostaglandin (PG) F_<1α>を有意に抑制したが,1-(7-carboxyheptyl) imidazole (OKY-025) (300mg/kg, i. p.)はTXB_2のみ有意に抑制した。胸水中多核白血球数は3時間ではAs, OKY-025で有意に減少し,TXB_2によりこの減少分の白血球が動員されることが示唆された。Dx投与により多核白血球数は前二者より更に減少し,この差はlipoxygenase生成物の何れかによることが明らかであった。しかし,OKY-025による減少分に比べこの減少分は小さかった。5時間では,これらの薬物は有効にアラキドン酸代謝物生成を抑制しているにも拘らず,多核白血球数は不変で他の因子,例えば補体関与の可能性が推定された。
- 1980-12-31