分娩時のOxytocin誘発子宮収縮における内因性PGF_<2α>関与の可能性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Oxytocin(以下Oxy)およびProstaglandin F_<2α>(以下PGF_<2α>)を点滴静注し,用量を段階的に増加させながら分娩誘発を行ない,羊水中・母体動脈血中PGF_<2α>濃度をRIA法で測定した。Oxyの総投与量が,1,000mUnit(以下mU)以下と1,001mU以上の2群に分けてみると,前者では少量のOxy投与で羊水中PGF_<2α>濃度の上昇を認めるのに対し,後者では同レベルのPGF_<2α>濃度に達するのにより多量のOxyを必要とした。両群とも羊水中PGF_<2α>濃度と,羊水採取時までのOxy投与量の間に有意な相関を認め,かつ羊水中PGF_<2α>濃度と,羊水採取時の子宮収縮圧の間にも有意な相関が認められ,両群の回帰直線はきわめてよく一致した。このことからOxy誘発時には子宮内PGF_<2α>生合成に反応性の差はみられるが,一度PGF_<2α>が生合成されると,羊水中PGF_<2α>濃度と子宮収縮圧の間には有意な相関がみられ,子宮収縮がPGF_<2α>の作用による可能性を示した。PGF_<2α>誘発群では,これらの関係は認められなかった。
- 北里大学の論文
- 1980-12-31