Giant panda脳の脂質組成
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概要
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神経化学,ならびに脂質生化学的観点から,giant panda脳の物質構成を明らかにすることを目的とし,脳の主要脂質成分の分析を行なった。1.大脳皮質ならびに白質にしめる全脂質,タンパク質量およびコレステロール/糖脂質比は成熟哺乳動物脳にほぼ共通していた。2.ガングリオシドはGM_1とGD^<1a>を主要成分とするほか,GM_2,GD^<1b>,GT^<1b>も含んでいた。白質ではGM_1が60〜70%を占めていた。3.ガングリオシド長鎖塩基はd 18: 1(64.4&)とd 20: 1(33.1%)が主要成分であり,脂肪酸は18: 0(77.1%),20: 0(20.4%)で他の哺乳動物脳に比し20: 0脂肪酸が多いのが特徴であった。構成糖としてガラクトース,グルコース,N-アセチルガラクトサミン,およびN-アセチルノイラミン酸が検出された。4.CMHとCSEの構成糖はガラクトースで,直鎖酸,ハイドロオキシ酸ともに長鎖脂肪酸に富んでいた。長鎖塩基は殆んどd 18: 1から成っていた。5.糖脂質の微量成分としてエステルセレブロシドが存在することを確認した。このものはハイドロオキシ酸に富んでいると推定された。本研究で得られた実験結果を既報のデータならびに他の晴乳動物脳の分析結果と比較考察し,問題点を指摘した。
- 北里大学の論文
- 1980-10-31
著者
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