エタノールと羊水の混合液の気泡形成能による新生児特発性呼吸障害症の発生予測
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概要
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羊水中の界面活性物質の量が,胎児の肺の成熟度に比例していることはよく知られており,Gluck等のクロマトグラフィーによる測定(いわゆるL/S値)は,胎児が出生後IRDSになるか否かの予後判定に広く用いられている。1972年,Clemets等は,エタノールに抽出された羊水中の界面活性物質が気泡を形成し続ける能力をみることにより,胎児の肺の成熟度をBedsideで手軽に推測する方法を発表した。われわれは今回,58例の妊婦より62サンプルの羊水をテストし,胎児の出生後のIRDSの発生と比較することによって,Clements等の方法(rapid shake test)の臨床的有効性を検討した。testが陽性であった25例は全例にIRDSを認めなかったが,陰性であった32例では,6例にIRDSを認めた。結果が陽性と陰性の中間であった5例を除いた全体の予後判定の正確度は89%であり,本法は明らかに臨床的価値を有する方法であるが,胎児の処置に関する最終決定には,さらに一層の配慮が必要である。
- 北里大学の論文
- 1975-10-31
著者
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仁志田 博司
Department Of Pediatrics Kitasato University School Of Medicine.
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Fomufod Antoine
Assistant Professor of Pediatrics, Haward University, School of Medicine.
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Risemberg Herman
Assistant Professor of Pediatrics, Johns Hopkins University, School of Medicine.
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Fomufod Antoine
Assistant Professor Of Pediatrics Haward University School Of Medicine.
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Risemberg Herman
Assistant Professor Of Pediatrics Johns Hopkins University School Of Medicine.