頭部X線規格撮影法の改良に関する三次元画像的検討
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概要
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CT画像より得た顎顔面の三次元形態情報を基にファントムを作製し,その側面X線画像の幾何学的特徴を明示することにより,従来の頭部X線規格写真(以下セファロと呼ぶ)以外の撮影法で得られた画像をセファロ分析に応用する可能性を検討した.セファロ撮影装置による画像では,焦点,被写体,フィルム間の距離に応じてPorionを中心とした計測点間距離の拡大および左右計測点のずれが観察された.顎顔面多機能X線撮影装置によるスキャノグラム側面像では,被写体の前後方向における計測点間距離の拡大が少なく,上下方向への拡大が強調されていた.CT画像より作製した3DCTセファロ像では,計測点間の距離の拡大および左右計測点間のずれが認められなかった.三次元セファロファントムにより,各種撮影法の画像がセファロ分析に応用可能であるか,応用する場合には画像あるいは計測値にどのような処理を施すべきかに関する基礎情報が得られると考える.各種の新しい方法で得られた画像を従来からのセファロ分析に流用できる可能性が示唆された.
- 朝日大学の論文
- 2003-10-20