フッ素溶出性材料の歯科矯正用 : ダイレクトボンディング材への応用
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概要
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接着技法の進展に伴い,歯科矯正治療では,ダイレクトボンディングシステムが応用されている.しかし,マルチプラケット法においては治療中あるいは治療後にエナメル質の白濁や脱灰を認め,また口腔清掃の不良等から齲蝕や歯肉炎を引き起こす症例に遭遇することがある.現在,歯科矯正臨床の場で数多くのダイレクト本デイング材が用いられ,齲蝕予防に対応したフッ素除放性機能を有するグラスアイオノマーセメントについてはコンポジットレジンより物性面で劣ることから,ダイレクトボンディング材への応用にはいくつかの問題点がある.そこで,本検索では歯科矯正治療に接着修復材であるフッ素溶出性のコンポジットレジンをダイレクトボンディング材に応用する目的で,フッ素溶出性のS-PRGフィラー含有のコンポジットレジンを供試材料とし,プラークへの影響および歯質接着性を中心に検討した.また,抗菌性を有する銀に着目して,矯正用結紮エラスティックの表面に銀成膜を形成して得られた銀成膜エラスティックの抗菌性も併せ検討した.今回,試作したS-PRG60.0wt%を含むレジンにおいては,歯質接着性およびプラケット周囲に抗菌効果を示す可能性があることから,齲蝕発生を考えるとこの種のレジンを基として新しい歯科矯正用ダイレクトボンディング材を開発することは有用であり,また銀成膜エラスティックにおいても抗菌性を認めた.
- 2003-10-20
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