WORKING PARENTS AND CHILDCARE (2) : A COMPARATIVE STUDY BETWEEN THE U.K. AND JAPAN
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概要
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本稿の主題は、共働き家族の子どものケアに関する日英の比較研究である。問題意識の基盤には、福祉国家体制のジェンダー・パースペクティヴに基づく再検討という理論的課題の追求が据えられている。本稿の論点をクリアにするための予備的作業として、第一に、日英両国における既婚女性の就労状況の推移、第二に、共働き家族における子どものケアの相違について日英両国のデータに基づく比較分析を行った(以上、札幌学院大学『人文学会紀要』第70号、2001.12所収)。次いで、第三に、家族及び保育に関わる国家を中心とするフォーマルな政策とインフォーマルなネットワークのあり方等に関して、日英両国の特徴を比較検討し、第四に、以上の作業に先だって措定した五つの仮説的論点-1.既婚の女性労働力への経済的要請の相違、2.J.ボウルビィの影響の相違、3.家族と国家の関係をめぐる認識の相違、4.「チルドレン・イン・ニード(要援護児童)」についての認識の相違、5.市民運動の展開にみる相違-について検証作業を試みた(以上、本第72号所収)。以上の一連の作業を通じて、共働き家族の子どものケアに見る日英両国の相違の検証にあたって提示した五つの仮説的論点が一定の検証に耐え得ること、さらには、主題の解明が、福祉国家体制のジェンダー・パースペクティヴに基づく再検討という理論的課題の追求につながるものであることが明らかになった。後者に関しては、本稿では諸般の事情から試行的展開に止まらざるを得なかったが、他日を期したい。なお、本稿の要約的日本語バージョンについては、拙稿、「共働き家族の子どもケア-日英比較研究-」(『現代社会学研究』Vol.14/2001北海道社会学会)を参照されたい。
- 2002-12-25
著者
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