多文化社会における芸術文化の意義とあり方
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概要
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浜松市には、ブラジル人約1万3000人をはじめ、多数の外国人市民が暮らしている。しかしこれらの外国人と日本人との交流、特に文化的なそれは、サンバ大会等を除いてはまだほとんどないという状況である。歴史的に見ると、文化は異文化との交流によって刺激され、新たな展開を遂げてきた。わが国の奈良時代天平文化や、安土桃山時代の南蛮文化はその典型といえる。こうした観点から、筆者らは3年間にわたって、ブラジル人たちと実際に芸術活動における交流や協働 (コラボレーション) を図る試みを行ってきた。この研究報告では、それらを紹介し、異文化をつなぐものとしての芸術の意義を明らかにするとともに、外国人市民という「文化資源」を軸にした浜松市の文化政策のあり方を提起したい。