会話における共同構築と共通話題志向
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概要
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人がお互いに交わす会話は、我々がコミュニケーションにどのように言語を使用するかを探るまたとない機会を与えてくれる。談話分析研究では、対話当事者は対話を共同構築するため「協力する」ことができると考える。そこではお互いが共通の話題を志向し、発話し、発話を終える (Clancy, Thompson, Suzuki & Tao, 1996 ; Goodwin & Goodwin, 1987 ; Hayashi & Mori, 1997 ; Jefferson, 1973 ; Sacks, Schegloff & Jefferson, 1974)。本論文は、20分間会話テープをデータとしている。その会話は表面的にはスムーズに思われるが、実際にそうなのか、そうであればその特徴は何かを探ろうとするものである。ダイアローグの共同構築という概念は、このようなデータ分析の枠組みとして有意義であると見なされている。この概念と、共通話題志向、共同収束概念にもとづきデータから抽出された数例をさらに詳細に分析した。この会話では、対話当事者が共有話題に向かって話をすすめ、そのことでダイアローグを共同構築していくものと仮定した。
- 2004-03-31