国語科教育実習生が行う授業観察の視座に関する一考察
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概要
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現在の学校現場では,学習の協同化により学習者一人ひとりが自らの学びの高まりに自覚的になれる一斉授業が求められている。このような授業観に基づいて構想された授業に対する効果的な観察実習を行おうとする場合, 授業観察に関する複数の視座を構造的に体系化する必要があると考える。ところが, 今回調査対象とした教育実習生の場合, 多様な視座から授業観察を行おうとする傾向は見られるものの, 複数の視座を相互に関係付けての授業観察に至っていないという課題が明らかになった。課題解決に向けて, 教育実習生が授業観察の視座を体系的にとらえて実習に臨むことと, 教師のねらいを硬直化させ過ぎず, 学習者の主体性発現の場を保証する授業を学生たちに提供していくことが望まれる。授業観察の視座の体系化に向けて, 授業に内在する種類の異なる目標を明確化して授業観察に臨むことと, 目標と方法とのつながりに関する妥当性を十分吟味しようとする意識を高めることとが求められる。また, 学習者の主体性を尊重した授業を提供していくために, 教師のねらいは学習の結果を示すものとしてではなく学習の方向を導くものとして位置付け, 学習の成果についてはある程度の幅を持たせたものとする必要があろう。
- 広島大学の論文
- 2004-03-01
広島大学 | 論文
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