遊行女婦の「橘の歌一首」
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概要
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遊行女婦の特殊な歌表現の質を見出したく、取り上げたのは無名の遊行女婦の巻8・一四九二歌である。「成り」「花」は、女の結婚にからむ譬喩として使われる言葉である。亡妻挽歌 (巻19・四二三六〜七歌) を誦詠した遊行女婦蒲生の例から、当該歌も男の立場から歌ったものと考える。座の男達の心を一つに括り、恋情表現からする女への讃美、またそれを通し、一組の新婚の男女と、婿を迎えた家を言祝いだものと考えた。
- 2004-03-15
遊行女婦の特殊な歌表現の質を見出したく、取り上げたのは無名の遊行女婦の巻8・一四九二歌である。「成り」「花」は、女の結婚にからむ譬喩として使われる言葉である。亡妻挽歌 (巻19・四二三六〜七歌) を誦詠した遊行女婦蒲生の例から、当該歌も男の立場から歌ったものと考える。座の男達の心を一つに括り、恋情表現からする女への讃美、またそれを通し、一組の新婚の男女と、婿を迎えた家を言祝いだものと考えた。