組織改革の成果に関する予備的調査 : 社内カンパニー制導入が財務的業績に与える影響
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概要
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本研究の大きな目的は, 分権化の一層の促進を目指した近年の日本企業おける組織改革が, 意図する成果を生み出しているのかを明らかにすることにある。本稿ではその予備的調査として, 社内組織構造の改革である社内カンパニー制の導入と財務的業績の関係に焦点を当てた分析を実施した。1994年から2000年にかけて社内カンパニー制を導入した東証一部上場企業49社をサンプル企業とし, 公表財務データから導かれた2つのROAをパフォーマンス指標として, 社内カンパニー制導入前後の業績の比較・分析を行った。その結果, 社内カンパニー制導入は企業の業績向上に結びついているとはいえず, むしろ低下させていることが判明した。ただし, この分析結果にはリサーチ・デザインが影響しており, 組織改革が実際の財務的成果として現れるまでのタイム・ラグを考慮すると, より長期的を分析対象とするならば異なる結果が導かれる可能性があると考えられる。
- 2004-07-30
著者
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