公と私のインターフェース : ドイツ語を手掛かりにヨーロッパの「公共性」をさぐる試み
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概要
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本論は, 公共性を表す二つのドイツ語 Publikum とOffentlichkeitの意味変化を社会的関連のなかで検証し, 社会における言語の働きを探る試みである。第一章では, カントの『啓蒙とはなにか』の一節を中心に, 18世紀後半における公と私の問題を提示する。次に, この問題を歴史的文脈のなかに位置づけるため, 第二章で, ローマ, ギリシアに遡って西欧の公共性概念の原型を明らかにする。第三章では, offetnlich というドイツ固有の概念をてがかりに, 顕示という視点から公共性を検討する。第四章では, 絶対王政下における公共性と, その圏外に成立した市民的公共性を, 近代的公共性概念の二つの位相として検討する。
- 大阪教育大学の論文
- 2004-09-30