有島武郎「迷路」の論点について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
この稿では, 拙稿「『迷路』論-力の原風景」の論旨に立って, 有島武郎「迷路」の先行研究の諸論点を,作品構成の軸, 展開, 結末等について検討した。作品を貫く軸は, 有島哲学でいう「個性内部の力」として捉える立場から, 運命論に対する自由論, 愛, アイデンティディ, 生命の本筋, <生活> の実感という捉え方では過不足があると思われること, 細部も, その「力」に基づいて形作られ展開されており, 結末も, 個性の力の可能性にごそ向かっているのであり, 主人公の虚無や賄北ではないことを示し, 拙論の位置を明らかにした。
- 2004-09-30