介護福祉学に問題基盤型学習 (PBL) を導入して : 在宅介護技術の実技チェックにおけるつみ重ね学習の意義
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概要
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研究目的は、問題基盤型学習PBLを導入した介護技術演習のつみ重ねの学習成果を検証することである。対象は某福祉大学短期大学部介護福祉学科1年生93名のうち了解のある87名について移動介護技術と在宅介護技術の自主的演習をした後、実技チェックの分析をした結果、以下の見解を得た。1. 前期の移動介護技術の実技チェック得点と自主的演習回数との相関はあり、後期の在宅介護技術の実技チェック得点と自主的演習回数にはバラツキがあるが、つみ重ね学習ができていた。2. 前期の実技チェック前5月の self-esteem の総平均値は23.304、後期の実技チェック後12月の self-esteem は23.607であり、それらの相関はわずかにあった(σ0.239 p<0.05)。殊に女子の12月の self-esteem 値の下限の幅が大きくなり、自己認知の幅が広がったと考える (σ相関係数0.368p<0.001)。3. 在宅介護技術の9項目の実技チェックはグループごとに役割演習のシナリオ、チェックポイントを作成し実施した。課題クリアは (1) 口腔ケア (2) 車椅子で散歩 (3) 起こし方 (4) 端座位で上下肢機能訓練等であり、利用者、家族介護者へのかかわり方の気付きがあった。以上から課題は在宅介護環境を活用した利用者、家族介護者への empowerment に対する教授方法の工夫が示唆された。
- 2005-01-31