江戸の帳合と正規の簿記の原則
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概要
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平成12年に国税庁は所得税の青色申告特別控除の適用を受けるうる簡易帳簿組織を発表した。これは青色申告の前提となる所得税法上の「正規の簿記の原則」の最低条件を提示したものと解される。企業会計原則一般原則が示す「正規の簿記の原則」とは異なり, 税法上の原則は仕訳帳・元帳の記帳方法の詳細を定めるばかりか, 補助簿の体系をも規定する厳格なものである。翻って江戸時代の庶民の記帳方法であった「帳合」が明治・大正・昭和に中小商店簿記として生き残り, 今日その姿が青色申告記帳組織に受け継がれてきたことを本稿が論証する。
- 2004-02-28