カメラール簿記と複式簿記の計算構造の非同一性について
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概要
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本稿では, 二つの簿記体系は形式的には同一ではないが内容的には同一であるとするワルプ (Walb, E.) の結論とは全く対照的に, それらは形式構造的にも同一であることを論証しようとしたヘルト (Held, G.) の説を祖述し批判することを通じて, この基本問題について考究する。彼は, 「借方・貸方」と「収入・支出」の概念の相関性ならびに「勘定面の倒置」と「集合通過勘定」を擬制することによって, 二つの簿記に内在する記帳原則は同一であると結論する。しかし筆者は, 彼の論での歴史的考察の欠如および計算的技巧(擬制)の過剰さのゆえに, その主張を容認することはできず, カメラール簿記の計算構造はあくまでも複式簿記のそれとは異なる独自の体系を内包することをあらためて強調する。
- 近畿大学の論文
- 2004-03-31
著者
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