110Jahre Tetanus-Forschung in Gottingen : Gottingen大学における最終講義
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
著者は,1971年3月24日ゲッティンゲン大学医学部終身職教授,運動神経生理部長(後部名改定により病態生理部長)に任官し,1996年3月31日定年により部長職を解任された。以下は同年4月12日に行なわれた最終講義である。破傷風により現今,全世界で1年に百万人のヒトが死んでいる。破傷風毒素はボツリヌス毒素とともに地球上で人類が知っている物質のうちで,最も毒性が高い。ゲッティンゲン大学の若い医師A. Nicolaierによる最初の破傷風近代的研究,同大学外科教授J. Rosenbachの実験,北里柴三郎による病原菌の嫌気性培養の成功,免疫の発見,Faberによる毒素の証明など19世紀後半の破傷風研究史とSherringtonの「抑制の興奮への変化仮説」など20世紀前半の神経生理学的研究を概観した。Brooks, Curtis, Eccles (1957)の脊髄運動神経細胞脱抑制説を簡単に紹介し,これが病因解明にはならないことを説明した。破傷風には,局所性破傷風と全身性破傷風がある。脱抑制説による現在の教科書的病因論によれば,全身性破傷風は,局所性破傷風の総和であるが,著者は,臨床破傷風は,局所性破傷風と全身性破傷風の和であるとする。また救命できるような破傷風は,主としてガンマ運動系の活動冗進であり,ガンマ運動系を抑制するDiazepamの類が第1選択薬として全世界で使用されている理由を明解に示した。
著者
関連論文
- 13. 皮膚痛覚とγ系の関連について(疼痛,第44回千葉医学会総会 第13回千葉県医師会学術大会 第6回日医医学講座連合大会)
- Gamma Activity of Rigid Cat in Tetanus Intoxication
- ドイツにおける医学教育
- 19. 電気麻酔電流の末梢神経伝導に対する影響(神経,第45回千葉医学会総会 第14回千葉県医師会学術大会 第7回日医医学講座連合大会)
- ドイツにおける医師と患者 (特集 医師と患者) -- (諸外国にみる医師患者関係)
- 110Jahre Tetanus-Forschung in Gottingen : Gottingen大学における最終講義
- ゲッティンゲン便り(XIII) : Alexander von Humboldt財団
- ゲッティンゲン便り(XII) : 博士論文・講師試験・教授選考
- ゲッティンゲン便り(XI) : 「千葉医学」への提言
- ゲッティンゲン便り(X) : 「編集後記」について
- ゲッティンゲン便り(IX) : 欧文原稿
- ゲッディンゲン便り(VIII) : 英語の論文
- アリストテレスの逍遥学派 : 神経生理学的考察
- ゲッティンゲン便り(VII) : 論文が拒否されたら
- ゲッティンゲン便り(VI) : 教授選考(海外だより)
- ゲッティンゲンにおける破傷風研究100年 : Arthur Nicolaierの博士論文(1885)を記念して
- Gottingen便り(V)(海外だより)
- Gottingen便り(III)(脳と神経の研究VIII-脳と神経の障害と修復-)
- 第24回国際生理科学会議
- Gottingen便りII(脳と神経の研究VI)
- 論文について : 主としてはじめて論文を書く人のために
- Gottingen便り(脳と神経の研究V)
- 2)伸展反射の3要素に対する中枢の影響(脳と神経,シンポジウム,第43回千葉医学会総会,第12回千葉県医師会学術大会連合大会,第5回日医医学講座)
- Gottingen便り(IV)(海外だより)
- ガンマ運動系をめぐる2〜3の所見(第9回北里医学会例会講演抄録)
- On intrafusal muscle activity following stimulation of the ventral roots
- 35. 除脳猫における足間代の筋紡錘発射について(第36回千葉医学会総会,第5回千葉県医師会学術大会連合大会演説要旨)
- ゲッティンゲンにおける講義と並行の神経生理学実習