空間プログラミング : 実世界とバーチャルリアリティ空間の連携によるエージェント使用環境構築手法の提案(ネットワーク)

概要

論文の詳細を見る
近年,稼動中の生産システムのメンテナンスを,IT技術により遠隔から行うリモートメンテナンス環境の構築が進んでいる.現在我々は,これを更に発展させ,メンテナンスを行う作業者が現場にいながらにして適切な診断・処理を行うエージェントを自動的に取得し利用することができるような,ユビキタスメンテナンス環境の構築を目指している.今回,発達の目覚しいVR(バーチャルリアリティ)技術をメンテナンス環境に導入し,空間プログラミングという概念に基づくVR環境の構築を試みた.空間プログラミングにより,場所にだけ依存した処理を行う従来のVR空間では不完全であった,状況も判断して行う処理も極めて強力かつ柔軟に可能となる.プログラミング環境にはVR空間そのものを用い,ウォークスルーしつつ処理プロセスを配置していくことで空間プログラミングが行われる.また,このVR空間を作業者・設備等の存在する実空間と連動させるにあたり,作業者の位置を検出するのに使用するデバイスとしてICタグ(RFIDタグ)を,表示装置としてHMD(ヘッドマウンテッドディスプレイ)を採用した.以上により,我々の目指すユビキタスメンテナンス環境が実現される.
社団法人電子情報通信学会の論文
2006-03-01