Clock 変異マウスの心拍数サーカディアンリズム
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概要
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CLOCKは時計発振遺伝子が形成するコアフィードバックループの促進因子であり, その遺伝子 Clock を変異させると活動量りズムが異常になることが知られている。本研究では, テレメトリー法を用いて Clock 変異マウスの心拍数を活動量, 体温とともに連続測定し, そのリズム性や日内変動を比較検討した。Clock 変異マウスの心拍数サーカディアンリズムは, 12時間明 : 12時間暗の明暗条件に同調していたが, 恒常明または恒常暗条件下でフリーランさせると周期が著明に延長した。明暗条件下において, 通常のマウスでは明期から暗期への移行期に心拍数が上昇するのに対して, Clock 変異マウスでは移行期から約2時間遅れて心拍数が上昇した。このような変動の遅延は, 活動量, 体温でも同様に認められた。各パラメータ間の相互相関関係から, 体温は心拍数から数10分遅れて変化していることがわかった。心拍変動は Clock 変異マウスで減少しており, 周波数解析では低周波成分, 高周波成分ともにそのパワーが野性型と比べて低値を示した。これらの結果から, Clock 変異マウスでは自律神経活性が減弱していることが示唆された。
- 神戸大学の論文
- 2003-03-31