CKIεによるCKIεによる受容体型チロシンキナーゼRor1の活性制御機構解析
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概要
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Rorファミリー受容体型チロシンキナーゼ (RTKs) はRor1及び, Ror2から構成されており, 発生過程における形態形成において重要な役割を担っている。これまでの解析からRor2に関しては, Wnt5a受容体として non-canonical Wnt5a/JNKシグナル伝達経路を活性化すること, Dlxin-1との会合により転写制御に関与すること, さらにカゼインキナーゼ1ε (CKIε) によってチロシンキナーゼ活性が制御されることが知られている。しかしながら, Ror1を介するシグナル伝達機構についてはほとんど明らかにされていなかった。本研究においては, Ror2の活性制御分子であるCKIεとRor1についての構造機能連関解析を行った。動物培養細胞における発現実験からRor1がCKIεと物理的に会合し, この会合はRor1のプロリンリッチ領域, セリン・スレオニンリッチ領域を含むC末端領域を必要とすることを見いだした。更に, CKIεのキナーゼ活性依存的にRor1がセリン・スレオニンリン酸化されることを明らかにした。しかし, セリン・スレオニンリン酸化をともなうRor1のチロシン自己リン酸化誘導は認められず, Ror1のチロシン自己リン酸化及びチロシンキナーゼ活性化機構はRor2のそれとは異なった機構であることが示唆された。
- 2004-03-31
著者
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