インスリン感受性糖輸送担体GLUT4の細胞膜移行における syntaxin4結合蛋白 Munc18cの機能解析
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概要
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脂肪細胞におけるインスリン感受性糖輸送担体GLUT4がインスリン刺激により細胞膜へ移行し, これと結合, 融合する際に, syntaxin4, SNAP23, VAMP2といったSNARE蛋白が重要な機能を果たすことが知られている。しかし syntaxin4 結合蛋白であるMunc18cの機能は未だ解明されていない。我々はMunc18cの機能を直接検討するため, Munc18c蛋白を発現していない遺伝子欠損マウスを作製した。Munc18cホモノックアウトマウスは胎生致死で, この胎児は中枢神経系に発達異常を呈した。またホモノックアウトマウスより調製した脂肪細胞において synatxin4 の発現低下が認められ, Munc18cは細胞内で syntaxin4 の安定化に寄与していることが示唆された。しかし, Munc18cを発現しない脂肪細胞においても, インスリン依存性のGLUT4の細胞膜への移行やインスリン依存性のブドウ糖の取り込みは野生型から調製した脂肪細胞と有意差を認めず, Munc18cは脂肪細胞におけるGLUT4の細胞膜移行には必須の機能をはたしていないことが示された。
- 2002-12-25