小児IgA腎症における尿中インターロイキン6 (interleukin-6, IL-6) 測定の臨床的意義
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概要
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腎生検にて確定診断した小児期発症のIgA腎症患者18例, 正常対照22例で尿中インターロイキン6 (interleukin-6, IL-6) をELISA法で測定し, 組織病理所見との関連を検討した。IgA腎症患者はWHOの分類に従い, 巣状変化群8例とびまん性変化群10例の2群間で比較した。びまん性変化群は糸球体硬化, 半月体, 系蹄壁の癒着の比率でさらに2群にわけて検討した。尿中IL-6は正常対照では検出感度以下であったが, IgA腎症患者では4.85±6.83pg/mg・Crと高値を示した。組織病理所見との関連では, 尿中IL-6は巣状変化群1.36±0.94pg/mg・Cr, びまん性変化群8.39±7.58pg/mg・Crとびまん性変化群で有意に高値を示した。また, 予後不良とされる糸球体硬化, 半月体, 系蹄壁の癒着の比率が30%以上を示した重症群でも軽症群に比し高値を示した。以上より尿中IL-6の測定は小児期IgA腎症の予後の予測に有用である。
- 神戸大学の論文
- 2002-12-25