トロンビンによる Protease Nexin-1遺伝子発現の転写後調節機構 : 神経芽細胞腫GOTO細胞における検討
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概要
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トロンビンは, その inhibitor である Serine Protease Nexin-1 (PN-1) との相互調節作用により, 神経系の分化を制御していると考えられている。本研究では, トロンビンがPN-1の発現を促進し, 自身の活性を調節する autoregulation 機構が存在すると想定し, 神経芽細胞腫株GOTO細胞を用いて, トロンビンによるPN-1の遺伝子発現調節機構を解析した。トロンビンは血清除去下で培養したGOTO細胞において, PN-1のmRNAレベルを増加させることが確認できた。次に, PN-1遺伝子の転写調節領域をルシフェラーゼ・レポーターベクターに融合させたプラスミドを作製し, GOTO細胞に導入後トロンビンで刺激したところ, 無処置群に比して転写活性の有為な増加は認められなかった。トロンビンによるPN-1の遺伝子発現調節は, 転写段階ではなく, 転写後調節が重要であることが示唆された。