家兎前眼部血管透過性に対する硝子体腔内投与サイトカインの影響
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概要
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有色家兎眼の硝子体腔内にインターロイキン1β (IL-1β), インターロイキン6 (IL-6), 血管内皮増殖因子 (VEGF), 塩基性線維芽細胞増殖因子 (b-FGF) を注入し, 前眼部血管透過性亢進の程度をレーザーフレアセルメーターを用いて経時的に測定した。また, それらがプロスタグランディン合成阻害剤であるジクロフェナックナトリウムの点眼 (DS点) により抑制されるか否かも検討した。1ngのIL-1βを硝子体腔内に注入することにより前房フレア値は上昇し, 12時間後に極値に達した。以後は徐々に減少し, 6日目で正常化した。DS点によりフレア値の上昇は抑制された。100ngのIL-6では硝子体腔内注入後2日目に前房フレア値は極値に達し, 7日間でほぼ正常に復した。IL-6においてもDS点によりフレア値の上昇は抑制された。VEGFによるフレア値の上昇はIL-1β, IL-6にくらべれば軽度であり, DS点によるフレア値の抑制は明らかではなかった。b-FGFに至ってはフレア値の上昇はほとんど見られなかった。本検討により糖尿病網膜症などをはじめとする眼底病変で増加しているIL-1β, IL-6及びVEGFは前房内フレアの上昇に関与していると考えられた。また, IL-1β, IL-6の作用はアラキドン酸カスケードを介する部分が大きく, プロスタグランディン合成阻害剤は前房フレア値の上昇を抑制する。
- 神戸大学の論文
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