プロスタグランジンE_2によるウシ関節軟骨細胞のアポトーシスの誘導
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概要
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関節軟骨細胞は軟骨基質を産生し, 関節軟骨の力学的特性を維持している。生理活性物質であるプロスタグランジンE_2 (PGE_2) は, この関節軟骨の機能維持に必要な軟骨細胞の増殖や形質発現に重要な役割を演じているが, リンパ球など種々の細胞でアポトーシスを誘導することが報告されている。アポトーシスは組織発生, 分化, 形態形成などに深く関与し, 個体の生命維持に重要な役割を果たすばかりでなく, 種々の疾患の病態に関与する。軟骨組織ではこのアポトーシスが内軟骨性骨化や変形性関節症の発症に関与しているが, PGE_2による関節軟骨細胞のアポトーシス誘導についての報告はない。そこで単層培養したウシ関節軟骨細胞を用いて, PGE_2によるアポトーシスの誘導について検討した。関節軟骨細胞にPGE_2を添加すると, 細胞内サイクリックAMP (cAMP) の上昇とともにアポトーシスの指標であるDNA断片化が認められた。また, cAMP誘導体であるジブチリール-cAMPあるいはアデニールシクラーゼを活性化するフォルスコリンを軟骨細胞に添加すると, PGE_2添加と同様に細胞のDNA断片化が認められた。すなわち, PGE_2により細胞内cAMP濃度の上昇を介して関節軟骨細胞のアポトーシスが誘導されることが明らかになった。
- 神戸大学の論文
- 1999-03-31
著者
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