食道癌における頚部・上縦隔リンパ節診断へのMRIの応用
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概要
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食道癌42例に対し,以下の3通りの基準面を新たに設定してMRIを施行し,頚部・上縦隔のリンパ節診断における有用性について検討を行い,以下の結論を得た。a)総頚動脈面:両側の総頚動脈を含む断面。b)気管一気管支面:気管と左右の気管支を含む断面。c)気管直交面:気管と直行する断面。リンパ節の部位同定では,境界となる構造物(総頚動脈,輪状軟骨,鎖骨下動脈,胸骨,気管,気管支,大動脈弓,奇静脈)が明瞭に描出され,食道癌取り扱い規約に基づくリンパ節の分類に有用であった。大きさ別リンパ節描出率は5mm未満では22.5%(274/1,218),5mm以上10mm未満では70.0%(353/504),10mm以上では80.1%(109/136)であった。部位別には,頚部食道傍リンパ節(101),深頚リンパ節(102),鎖骨上リンパ節(104),胸部気管リンパ節(106),気管分岐部リンパ節(107)が良好に描出された。EUS, Dynamic CTと比較して,本法(MRI)は頚部食道傍リンパ節(101),鎖骨上リンパ節(104),胸部気管リンパ節(106),気管分岐部リンパ節(107)が有意に描出率が高く,転移リンパ節の描出能も優れていた。本法はリンパ節の大きさと部位を正確に把握でき,しかも手術の指標となる構造物との位置関係が明瞭に描出できるため,食道癌の術前頚部・上縦隔リンパ節診断に極めて有用であった。
- 千葉大学の論文
- 1998-12-01
著者
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