重水希釈法による体脂肪量測定の実験的および臨床的研究
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概要
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本研究の目的は重水希釈法による体脂肪量測定法の確立である。実験群として高脂肪食ラット,普通食ラット,遺伝性肥満ラットであるZuckerラット及びそのヘテロ接合体であるLeanラットを用いた。この4群において,重水希釈法による体水分量の測定と,クロロホルムメタノール法による体脂肪量の測定を行い比較検討した。重水濃度測定は白金触媒を用いたガスクロマトグラフィー法にて行った。Zuckerラット,高脂肪食ラット,普通食ラットにおいて体重には有意差を認めなかったが,体脂肪率は有意に異なっている事が確認された。ところが,重水希釈法による体水分量と,直接法による除脂肪体重の比は4群でほぼ等しく有意差を認めなかった。またすべての検体での除脂肪体重と体水分量の関係はr=p.89との高い相関係数にて有意に相関しており,回帰直線はy=0.729xと求められ,体水分量は除脂肪体重の72.9%を占めると結論づけられた。従って,肥満においても,正常体重者と同様に重水希釈法により体脂肪量が求められることが判明した。次に,重水希釈法による体脂肪量測定を臨床検体にて行い,重症肥満患者22例において,同一体重,同一肥満度,同一BMIで異なる体脂肪量,体脂肪率を持つ症例について,重水希釈法による体脂肪量の測定の有用性を検証し,肥満の評価の為の体脂肪量測定の必要性を明らかにした。
- 1998-10-01
著者
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