日本人ライ症候群,ライ様症候群,Apparent Life Threatening Event症例におけるミトコンドリア脂肪酸酸化酵素活性レベルの検討
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概要
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近年ライ症候群,ライ様症候群およびApparent Life Threatening Event (ALTE)と,ミトコンドリア脂肪酸酸化系酵素異常症との関連が注目されている。今回,従来報告されてきた測定法に準じて,ライ症候群,ライ様症候群,ALTEを示した日本人12症例についてミトコンドリア脂肪酸酸化系酵素の活性レベルについて検討した。健康人対照の線維芽細胞とリンパ芽球を用いて脂肪酸酸化系酵素の活性レベルを測定したところ,線維芽細胞におけるCPT IとCPT IIの活性レベルは,これまでの報告とほぼ同程度であり,β酸化系酵素の活性レベルについては,これまでの報告よりやや低値であった。リンパ芽球では,線維芽細胞に比して,ミトコンドリア脂肪酸酸化系酵素の活性レベルは全般に高値であった。日本人のライ症候群3例,ライ様症候群6例,ALTE 3例について脂肪酸酸化系酵素の活性レベルを検討したところ,CPT I活性が低レベルのものとCPT II活性が低レベルのものが,それぞれ2症例ずつ存在した。なお,脂肪酸β酸化系酵素の活性レベルに異常は認められなかった。CPT活性が低レベルの症例は1症例を除き,いずれもライ症候群で死亡した同胞を家族歴にもつライ様症候群であった。本研究により,ライ症候群,ライ様症候群の原因として,CPTI活性とCPT II活性低下の関与が強く示唆された。
- 千葉大学の論文
- 1998-02-01
著者
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