c-fosの過剰発現はクラススイッチ過程のB細胞にアポトーシスを誘導する
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
c-fosがん遺伝子を過剰発現するトランスジェニックマウス(H2-c-fos Tg)においてIgGクラスの特異抗体産生障害が見られた。この障害の機構をB細胞がIgGクラスヘスイッチする場である胚中心の形成能やin vitroのクラススイッチ系を用いて解析したところ以下の結果を得た。1. H2-c-fos Tgでは抗原で免疫後,10日目の脾臓における胚中心の形成が著しく弱かった。また,この時IgG1陽性B細胞の出現が抑制されていた。2. 発現誘導型c-fos遺伝子を持つMx-c-fos Tg由来の脾臓細胞をLPSとIL-4とともに培養して,IgM陽性の成熟B細胞をIgG1陽性B細胞ヘクラススイッチさせる系において,その分化過程のいろいろな時期にc-fosの過剰発現を誘導した。その結果,クラススイッチ過程におけるB細胞がアポトーシスにより死滅した。以上の結果から,過剰のc-fosは,成熟B細胞の抗体産生細胞への分化過程におけるIgクラススイッチ過程においてアポトーシスを誘導することによりIgG抗体産生障害を起こしていることを明らかにした。
- 1997-04-01
著者
関連論文
- 71. 不安定型大腿骨転子部骨折の検討(第876回千葉医学会整形外科例会)
- 19. 腰部脊柱管狭窄症における拡大神経除圧と脊椎安定化の効果(第876回千葉医学会整形外科例会)
- 6.股関節内に発生したOsteoid Osteomaの1例(第853回 千葉医学会整形外科例会)
- 81. 大腿骨頚部骨折に対するHansson Pin固定の小経験(第986回千葉医学会整形外科例会)
- c-fosの過剰発現はクラススイッチ過程のB細胞にアポトーシスを誘導する
- 14. c-fos過剰発現によるIgGB細胞のプラズマ細胞への分化抑制機構についての検討(第931回千葉医学会整形外科例会)
- 37. c-fos過剰発現によるB細胞の抗体産生細胞への分化過程におけるapoptosisの検討(第950回千葉医学会整形外科例会)
- 19. B cell class switchにおける癌抑制遺伝子p53の役割(第912回千葉医学会整形外科例会)
- 21. 急激に四肢麻痺をきたした頸部椎間板ヘルニアの1例(第892回千葉医学会整形外科例会)