トルコにおける過去12年間の炎症性腸疾患220例の臨床経過,合併症,外科治療および予後に関する検討
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概要
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1981年から1992年までにアンカラ大学付属病院(トルコ)にて経験された炎症性腸疾患220例の臨床経過,合併症,外科治療および予後にういて検討した。疾患の内訳は潰瘍性大腸炎166例,クローン病54例で,発症時の平均年齢は潰瘍性大腸炎で35.8±3.7歳,クローン病で36.2±2.7歳であった。潰瘍性大腸炎の半数以上(53.6%)は左側結腸型であった。合併症は全結腸型で最も多く認められた。急性電撃型は4.2%にみられ,また原発性硬化性胆管炎は3例で認められた。薬物治療にて効果のなかった14.4%に外科的治療を行った。そのうち結腸全摘出術が必要となったのは4例のみであった。大腸癌の合併は1例もなかった。経過観察中7例は合併症が原因で死亡した。クローン病では病変が回盲部に限局した症例が25.9%と最も多かった。外科的切除は33.3%の症例で行われ,そのうち27.7%は2回以上の切除術が施行された。大腸癌の合併は1例もなかった。4例は経過観察中合併症にて死亡した。以上より,トルコにおける炎症性腸疾患の平均年齢,関節症状,原発性硬化性胆管炎の頻度および臨床経過は欧米あるいは日本の報告と異なることが明らかとなった。
- 千葉大学の論文
著者
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Ozden Ali
アンカラ大学消化器科
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Dokmeci A.
アンカラ大学消化器科
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Ormeci Necati
アンカラ大学消化器科
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OZKAN Hasan
アンカラ大学消化器科
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ERTEN Ahmet
アンカラ大学消化器科
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SUMER Neguz
アンカラ大学消化器科
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SIPAHI Nihat
アンカラ大学消化器科
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KESIM Erol
アンカラ大学消化器科
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BAHAR Kadir
アンカラ大学消化器科
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KARAYALCIN Selim
アンカラ大学消化器科
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BEYLER Ali
アンカラ大学消化器科
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UZUNALIMOGLU Ozden
アンカラ大学消化器科