疼痛性皮膚電気刺激時の筋および皮膚交感神経活動の変化
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概要
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反射性交感神経性萎縮(Referred Sympathetic Dystrohy: RSD)の発現と交感神経との関係を調べるために健康成人男女25例を対象に,疼痛性皮膚電気刺激時の筋交感神経活動(Muscle Sympathetic Nerve Activity: MSNA)および皮膚交感神経活動(Skin Sympathetic Nerve Activity: SSNA)の変化を検討した。交感神経活動は微小神経電図法(microneurography)により右または左総論骨神経から記録した。Valsalva試験,音刺激,心拍との同期性から,MSNA,SSNAを同定した。その結果25例中7例のMSNAを,18例のSSNAを記録した。右母趾にリング電極を用いて矩形波,3Hz,痛み同値の1.2〜1.5倍の強度の疼痛性皮膚電気刺激を2〜6分間与えた。電気刺激中,被検者は強い痛みを感じたが,刺激終了後痛みは速やかに消失した。電気刺激前,中,後のMSNA,SSNAの活動性の変化を1分当たりのburstの数(burst rate)で評価,検討した。電気刺激中MSNAのburst rateは有意に減少し,刺激終了とともに刺激前のレベルに回復した。血圧は刺激開始とともに著明に上昇し,終了とともに刺激前のレベルに低下した。SSNAでは刺激開始後burst rateは有意に増加し,刺激終了15分後でも有意な増加を示した。刺激中のMSNAの低下はbaro-reflexが作動したものと考えられた。刺激中のSSNAの増加は脊髄後角細胞の"wind up"現象を反映しているものと考えられた。以上の知見をRSDとの関連で検討した。
- 千葉大学の論文
著者
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