腫瘍を対象とした^<18>FDG PETの各種評価法の検討
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概要
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〔^<18>F〕2-fluoro-2-deoxy-D-glucose (^<18>FDG)ポジトロンCT(PET)によって悪性腫瘍の糖代謝を定量・半定量的に評価するとき,いかなる評価法を使用すべきかは議論のある点で,また評価法によって検査方法も異なってくる。今回,一般に用いられている評価方法のうち,Patlak Plotの傾き,糖代謝速度定数(k_1〜k_4),^<18>FDG投与量に対する腫瘍集積率を患者体重で補正したDifferential Absorption Ratio (DAR),および腫瘍と正常軟部組織の^<18>FDG集積比Tumor to normal tissue Contrast Ratio (TCR)の4種で各種悪性腫瘍の糖代謝を評価し,各指標間の相関関係および治療による変化率の相関関係を統計的に検討した。対象は,悪性リンパ腫,肺癌,縦隔腫瘍,その他の悪性腫瘍の35症例で,治療開始前に^<18>FDG PET検査を施行した。この内の25症例では2回目のPET検査を施行し治療開始後の早期の糖代謝変化率を求め検討した。結果は,治療前ではPatlak plotの傾きとDARの相関は0.93,Patlak plotの傾きとTCRは0.34で大変良好な相関を示した。腫瘍糖代謝評価に関しPatlak plot法の妥当性と有用性は広く受け入れられているが,BARが非常に良好な相関を示したことは,dynamic studyを必要としないDARでPatlak plot法とほぼ同等の評価ができる可能性が示唆された。治療開始前後の変化率の検討では相関係数は0.87〜0.57で,特にTCRで不一致の度合いが目立っていた。一般に治療開始後では腫瘍部の計数率が低下しノイズの関与率が高くなり治療効果を評価するときはどんな指標を使うかが問題となりそうで注意を要することが示唆された。
- 千葉大学の論文
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