境界性人格障害とヒステリー神経症の精神病理学的比較研究 : 境界性人格障害の診断面接(改訂版)による症状評価.
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概要
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境界性人格障害とヒステリー神経症を症候学的に比較検討して,境界性人格障害の精神病理学的特徴を考察した。方法として,境界性人格障害患者(B群とする)48名とヒステリー神経症患者(H群とする)40名に,Diagnostic Interview for Borderlines Revised (DIB-R)を施行した。統計解析は,多変量解析の内,数量化二類を使用した。結果は,DIB-Rのトータルスコアは,B群:6.13±1.52,H群:4.9±2.12(t=3.05,p=0.0016)であった。感情・認知・衝動-行為パターンと対人関係の4セクションの中で,衝動-行為パターンと対人関係のセクションスコアの偏相関係数が各々0.342,0.287と高値であった。個々の質問項目では,独立係数の高い項目として,操作(0.4416),孤独の耐性低下(0.3797),要求がましさ(0.3768),自傷(0.3609),などが,低い項目としては,世話焼き(0.0533),同一性障害(0.101),抑鬱 (0.1551),孤独(0.1752),などがあった。以上の結果から,境界性人格障害の特徴として,衝動行為や対人関係障害が目立ち,その背景に操作的傾向や孤独の耐性低下などを認めた。また,両者に比較的共通する特徴として,投影的世話焼き,同一性障害などを指摘できた。
- 千葉大学の論文
- 2000-06-01
著者
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