外科侵襲の大きさによる骨格筋蛋白の全身蛋白分解に占める割合

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外科侵襲下における全身蛋白及び骨格筋蛋白分解速度および骨格筋の全身蛋白分解に占める割合いを検討した。65歳以下の男性成人患者35名を対象にし,食道癌手術施行群(E群,n=13),胃癌および大腸癌手術施行群(GC群,n=22)の2群に分けた。術前,術後3,10病日に^<15>N glycineの定速静注法により全身蛋白分解速度を測定した。尿中3-methylhistidine排泄量を測定し,Bilmazesらの式を用いて骨格筋蛋白分解量を算出した。また尿中総カテコールアミン及び総窒素排泄量を連日測定した。検索期間中は術前より絶食とし,アミノ酸1.5g/kg/day, 40kcal/kg/day投与する高カロリー輸液により管理した。全身蛋白分解はE群,GC群共術後第3病日に有意に増加し(E群でp<0.01,GC群でp<0.05),E群の増加はGC群より有意に高かった(p<0.01)。骨格筋蛋白分解は術前値0.54g/kg/day程度からは術後有意に増加し,術後3病日でE群1.57土0.08g/kg/dayに(M±SE, p<0.01), GC群で0.93±0.03g/kg/day(p<0.01)となった。3病日での増加はE群でGC群より有意に高かった(p<0.01)。骨格筋蛋白分解が全身蛋白分解に占める割合は術前の22%程度から3病日ではE群40.7±1.5%(p<0.01),GC群32.6±1.8%(p<p.p5)と有意に増加し,E群ではGC群より有意に高かった(p<0.05)。以上,外科手術後は,全身蛋白分解,骨格筋蛋白分解共に有意に増加し,骨格筋の全身蛋白分解に占める比率は侵襲が大きいほど高かった。
1995-08-01

外科侵襲の大きさによる骨格筋蛋白の全身蛋白分解に占める割合

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