造影MRIによる末梢性顔面神経麻痺の抽出能の検討
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概要
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29例の末梢性顔面神経麻痺症例(I群とする)と30例の正常例(II群とする)において,顔面神経の遺影MRIにおける増強効果を検討した。サブトラクション法により顔面神経内耳道部,迷路部,膝神経節,鼓室部,乳突部の遺影能を抽出し,I群の左右差とII群の左右差を比較してみると,いずれの部位においても有意差をもってI群の左右差の位が大きかった。またI群の患側の位とII群の位の比較でも有意差をもってI群の位が大きかった。このように,末梢性神経麻痺症例では,顔面神経が遺影されるが,II群にも強い遺影効果を呈する症例が存在する。実際には両群の間には増強効果にかなりのオーバーラップがあるため,造形MRI像のみにより両群を鑑別することには限度がある。しかし,I群の患側の信号強度値から健側の信号強変位を引いた位がII群の左右差の最大値を越えるかもしくはいずれかの部位でI群の患側の値がII群の最大値をこえる症例は,I群の86%を占めていた。上記の信号強度位の左右差の比較および正常群の信号強変位との比較の組み合わせにより,末梢性顔面神経麻痺をMRI上高確率で診断できると考えられた。
- 千葉大学の論文
- 1994-10-01
著者
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