小児における低線量骨盤3D CT
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概要
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3次元画像の臨床応用が様々な分野で行われており,小児においても頭蓋顔面,脊椎,四肢などで,3次元CT(3D CT)が利用されてきている。しかし,小児においては成長過程であり,眼球や性腺被曝の影響を考慮し,照射線量を極力減少させる必要がある。今回,小児の骨盤領域における3D CTにおいて照射線量低下が性腺吸収線量および画質にどの様な影響を与えるかを小児ファントームを用いて検討した。また,画質への影響を臨床的な有用性からも検討を行った。その結果として,照射線量を低下させた低線量3D CTは,通常の骨盤CTと比較して,小児ファントームでは皐丸,卵巣ともに吸収線量で約60%の低減が可能であった。この線量の低下は画質においては,noiseの増加をもたらしたが,臨床例(先天性股関節脱臼52関節)の検討を行ったところ,単純X線写真では観察不可能な側面像,軸写像などの輯察可能であり,大腿骨の前後方向の脱臼,臼蓋形成不全の立体的な把握が可能であった。これより,低線量3D CTは,空間分解能が低下するが臨床的有用性は保たれていると考えられた。
- 千葉大学の論文
- 1994-10-01
著者
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