機械的人工呼吸による呼吸系インピーダンスの測定
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概要
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近年,Random noise forced oscillation (RNFO)法による呼吸系インピーダンス(Z_<RS>)の測定と数学的モデリングの応用により,呼吸系メカニクスの詳細な解析が可能になった。しかし,RNFO法の手技は煩雑であり,臨床応用は困難と思われる。そこで,RNFO法の代用となる簡便なZ_<RS>の測定法を開発するための基礎実験を行った。麻酔,非動化,気管切開した成兎を人工呼吸管理とし呼吸流量,気道内圧を測定した。人工呼吸器の換気回数を毎分5回に設定し,一回換気量(V_T)を10, 20, 30, 40, 50mlとして呼吸シグナルよりZ_<RS>を計算し,RNFO法によるZ_<RS>と比較した。V_T 10mlの設定では,人工呼吸中のZ_<RS>はRNFO法のZ_<RS>を近似したが,V_Tを増やすにつれて両者間の差は大きくなり,これは呼吸系の機械的非線形性の影響によると思われた。このことにより,V_Tをある程度小さく設定すれば人工呼吸中の呼吸シグナルそのものにより測定したZ_<RS>は,RNFO法によるZ_<RS>の代用となり得ることが示唆された。
- 千葉大学の論文
著者
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