単純ヘルペス1型ウイルス(H-299)のマウス下肢への接種により引き起こされた網膜壊死
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概要
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免疫に異常のない急性網膜壊死の患者から分離された単純ヘルペス1型ウイルス(HSV-1)であるH-299をBALB/cマウスの腿筋肉内に接種し遠隔の網膜への影響を検討した。接種後5〜19日後に26匹中15匹は脳炎および下肢の麻痺を発症した。11匹は脳炎も麻痺も示さなかった。脳炎を示した15匹中6匹の網膜電図(ERG)のb波の振幅が減弱し,脳炎を示さなかった11匹中4匹のb波の振幅が減弱した。またb波の振幅が減弱したERGの感度も低下していた。ERGが減弱したマウスの網膜の組織像では,襞形成,内顆粒層の壊死,視細胞の短縮が認められた。このH-299を接種し,今回麻痺も脳炎も示さずに網膜の変化のみを示したものは,急性網膜壊死のモデルとしても将来の発展が期待される。
- 千葉大学の論文
著者
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HAMASAKI Duco
Bascom Palmer Eye Institute
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Hamasaki Duco
Bascom Palmer Eye Institute University Of Miami School Of Medicine
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佐藤 晴彦
千葉大学医学部
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サトウ ハルヒコ
Bascom Palmer Eye Institute, University of Miami, School of Medicine
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