糖尿病治療における膵島移植に関する基礎研究 : 大量膵島分離法並びに膵島機能維持のための低温保存法に関する検討
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概要
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近年I型糖尿病治療に膵島移植が注目されている。膵島移植には,要時に大量の膵島が必要であるため,膵島大量採取方法並びに膵島低温保容法について検討を行い,次の結論を得た。A 2種類のmeshを使用するととにより,簡便に機能の良好な膵島を大量採取できる新しい膵島分離法が示された。B 膵島のinvitro実験について1 -2℃又は-196℃にて低温保在した膵島は,3^H-leucineの膵島への取り込みは低下していたが取り込まれた3^H-leucineのインスリン分画への移行は,新鮮膵島と同様に保たれていた。2 -196℃にて凍結保害した膵島はインスリンの漏出が認められた。この凍結膵島に比し,-2℃での非凍結保容膵島ではグルコースに対する反応性が新鮮膵島のそれに近かった。C ストレプトゾトシンにより作成された糖尿病ラットにおいて1 低温保容した膵島の移植により,高血糖の改善が認められた。2 非凍結保存膵島は新鮮膵島と同様な血糖降下効果が得られた。しかし凍結保存膵島では,非凍結保存膵島に比し約2倍の移植数が必要であった。3 低温保存膵島移植は,新鮮膵島移植よりも一旦降下した血糖の再上昇の発来が遅延していた。D 以上の結果より1週間以内の短期保容において,非凍結低温保在法は凍結保存法と比べ,簡便性,経済性,及び回収率並びに膵島機能の良好な点で,有用と考えられた。
- 神戸大学の論文
著者
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