運動による減量が肥満者の身体組成、身体機能に及ぼす影響
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概要
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今回、減量を目的に参加した肥満者及び、肥満傾向者に対し、継続的な健康運動習慣を与えることによる減量プログラムを提供した。この中で、6ヶ月間に渡る経過観察の中から運動による減量が、肥満者の体組成、身体諸機能にどのような影響を及ぼすのか検討した。1) 減量プログラムの提供により、肥満及び肥満傾向者の体重は運動実施後増加した者はなく、個人的には1.5kg〜16.4kgの範囲内で、全員が減量を認めた。平均値では64.9kgから60.3kgと4.6kgの有意な減少を認めた。2) 運動プログラムの実施により、体脂肪率は平均値で34.6%から28.4%へと有意な減少を認めた。これを、身体組成の側面からみると体脂肪量では平均値で23.3kgから17.3kgへと6.0kg減少を認めたが、除脂肪体重は平均値で41.6kgから42.9kgへと変化を示さなかった。すなわち、体重減少には体脂肪量の減少が大きく関与していた。このことから減量プログラムの提供は肥満解消に大きく寄与していた。3) 減量プログラムの生理機能への影響は、PWC_<75%HRmax>で運動プログラムの実施により、平均値で86.8wattから100.5wattへと有意な増加を認めた。また、体重当りの最大酸素摂取量 (VO_<2max> ml/kg/分) においても運動実施により平均値で30.4ml/kg/分から37.1ml/kg/分へと6.7ml/kg/分の有意な増加を示し、減量のための運動プログラムは有酸素的作業能力の改善に大きく寄与していた。4) 体力測定においては、減量のための運動プログラムは身体の柔軟性をみるための上体反らし、身体の筋力をみる握力・背筋力にも機能の改善を認めた。5) また、身体を速やかに動かしたり素早く方向を変えたりする能力をみる反復横跳びや神経反応をみる全身反応時間、ヒトの基本的な動作である筋パワーをみる垂直跳びにおいても機能の改善効果を認めた。
- 2000-02-25
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